【塾コラム】高校生必見! 変わる大学入試 大学入学共通テストを解説!
2021年1月から『大学入学共通テスト』が始まりました。
今回は、大学入学共通テストとはどんなテストなのか、センター試験とどう違うのか、
求められる力は何かなどについて解説します!
ぜひ、大学入試のしくみを理解し、今後の学習に役立ててください。
大学入学共通テストとは
各大学が独立行政法人「大学入試センター」と共同で実施する試験です。
2020年度入試まで実施されてきた「大学入試センター試験(以下、センター試験)」の後継にあたる試験で、2021年度入試から実施されています。
センター試験と同様、毎年1月中旬の土・日曜の2日間に全国で一斉に実施される、日本最大規模の試験です。
国公立大学の一般選抜受験者は、原則共通テストを受験しなければなりません。
また、多くの私立大学でも共通テストの成績を利用する「共通テスト利用方式」を設定しています。大学進学を考える受験生にとって、この共通テスト対策は必須といっても過言ではありません。
共通テストに変わった背景
センター試験から共通テストへの移行に代表される「大学入試改革」は、国が進める「高大接続改革」のひとつです。国が改革を進める背景には、将来に対する強い危機感があります。
現在の高校生や小・中学生が社会に出て活躍する頃には、現代社会は大きく変化している可能性があり、情報化社会の進展や急速に進む少子高齢化、グローバル化などにより、今の私たちには想像できないような大きな変化が予想されています。
実際、新型コロナウイルスの流行により、オンライン授業やリモートワークなど、今までは全く身近になかったシステムが導入され、私たちの生活も大きく様変わりしました。
こうした変革期を迎えるなかで、自ら問題を発見し、他者と協力して解決していくための資質や能力を育む必要がある、というのが改革の根底にあります。
求められる資質や能力を育み評価するために、「高校教育」「大学教育」それをつなぐ「大学入試」を三位一体で改革しようとしているというのが背景です。
これら三位一体の改革のなかで、「大学入試改革」では、これまで以上に多面的・総合的に能力を評価する入試への転換が掲げられています。
具体的には、学力の3要素と呼ばれる「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を入試でバランスよく評価することが求められています。
大学入学共通テストとセンター試験との違いは?
①「知識・技能」だけでなく「思考力・判断力・表現力」が求められる
解答方法はセンター試験の時と同様に、「マーク式」のみですが、思考力・判断力・表現力をより重視して評価できるように、作問や出題形式が変わりました。
全体的に知識や解法の暗記のみで解答できるような問題は減少し、代わりに、より理解の質が問われ、「思考力・判断力・表現力」を活用して解くことが求められる問題が重視されました。
②マーク式問題の見直し・変更
知識や解法の暗記のみで解答できる問題は減少傾向になり、地図・写真・文章などの読み取る量の増加や日常生活との関連性など、本質を理解していないと答えられない問題が出題されています。
③英語はリーディング・リスニングでの実施、配点は1:1に変更
センター試験時の「筆記」が「リーディング」に改称され、「リスニング」は別時間に実施されます。
配点はそれぞれ100点、配点比率は1:1に変更になりましたが、各大学が成績を利用する際には、配点比率を自由に決めることができるため、そのまま1:1で利用する大学のほか、センター試験時と同じ4:1で利用する大学もあるなど、大学により対応は分かれています。
大学入学共通テストで必要な3つの力
①様々な資料を正しく読み取る力
これは、全教科共通して必要となる力です。
共通テストでは、単に知識や暗記だけで解答できる問題構成ではありません。
日常生活との関連性や図やグラフ、統計資料などの読み取りが必須となります。
また、こうした資料は単独で出題されることもあれば、組み合わさって複数の資料として出題されるケースもあります。
普段の学習時から、図やグラフ、関連資料には目を通し、慣れておくことが大切です。
②解答までの道筋を論理立てて構成する力
これは、特に数学・理科・地歴で必要となる力です。
知識は持っているだけでは役に立ちません。知識と問題文との関連性を見抜いたり、問題文から得た情報を自分の持っている知識と結びつけたりし、答えを導くことが重要です。
そのためには、ただ答えが出せればいいという考え方ではなく、なぜこの答えになるのか、どういったプロセスを経由してきたのかという過程にも目を向けて勉強することが大切です。
③的確にわかりやすく表現する力
これは、特に国語で必要となる力です。
頭の中で考えた内容をいかにわかりやすく相手に伝えることができるか、また端的にまとめ上げることができるかが重要です。
まずは、文章の内容を正確に理解することから始め、そこから要約へと進み、そして表現へと繋げていくというステップを踏んで、普段から勉強することが大切です。